セクハラ王子様 |
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“もうこんな時間・・・!まずい!” ダンスはあまり得意では無いはずの自分を、自分にも、ましてや周りにもそうは思わせない程巧みにリードする男の後方にある大きな時計が目に入ったのだ。 それまでほわほわとした、なんとも言えない暖かなものが胸の真ん中にあったのがまたたくまに消え去ってゆく。 ノビデレラはまだこの暖かさを手放したくないと思ったが、時間は待ってはくれない。あの時計の針が12時を指した時、この身を包む魔法はとけてしまうのだ。 そんな事になったら、今自分を優しく見つめる男はどう思うのだろう・・・。 その綺麗な瞳の中に映る自分の姿がいつもの自分ではない事に、ますます現実に引き戻される。 突然立ち止まってしまったノビデレラを、ヒデトシ・デ・キスギ王子はただじっと見つめた。 「今宵のレディー達はなかなか粒ぞろいだろう。お前のために国中から呼び集めたのだぞ。」 隣の玉座に座る王の言葉に、密かに嘆息する。 王子は広間に目をやり、自分を最も美しくみせる色のドレスを揺らして笑いさざめく、まるで花のような娘たちを順々に見ていく。 この中に、未来の妻になる娘がいるのだ。いや、正確には妻にしなければならない娘がいるのだ。 確かに綺麗どころがそろっている。しかしいかにも従順そうな娘達だ。 一国を担う人間であるが故に、特に結婚に夢を持っているわけでは無い。それでも沸き起こる軽い失望感に再び王子が嘆息しようとしたその時。 初めて見る娘だった。 国中から呼び集めたとはいえ、むやみやたらに集めたわけでは無い。 単なる村娘が大事な王子のお妃候補に上るはずも無く、ここにいるのは全員代々続く由緒ある貴族の娘か、裕福な商家の娘達だった。 そして王子は、娘に限らずその手の身分の人間には最低一度は会っている。そして記憶力の良さは自他共に認めるところだ。 王子がじっと見つめているのにも気付かず、当の娘はこういう場所が初めてなのか、しきりにキョロキョロと周りを物珍しそうに見回している。 どうやら料理を発見したようだ。顔がぱっと輝く。その表情に王子は思わず口元を綻ばせた。 ドレープが美しい王室お抱えシェフ会心の苺のケーキを、自分で採ろうとして慌てたボーイが皿に取り分けると、そこまで開けるかという程大きく口を開けて幸せそうに頬張る。 “まるで子供のようだ・・・”王子は込み上げる笑いを噛み殺せずくっくと笑うと、パーティーが始まって以来初めて立ち上がった。 ゆっくりと広間を横切る長身を、王だけでなく、ダンスをしている娘達までも相手の殿方を意識からはずして見守る。 やがて王子が辿り着いた先には、口元にクリームをつけて無心にケーキを頬張る娘がいた。 近付いて見ると、遠目で見たよりも背は高い。自分の目線あたりだろうか。 顔だちは甘過ぎない可愛さで、好みだ。何よりそのジャジャ馬を思わせる瞳がいい。 その時やっと娘は自分の傍に立つ王子に気付いた。 「失礼」 王子はそう言い側にあったナプキンを手に取ると、優しい手付きで娘の口元をぬぐう。 大きめの瞳がこぼれるくらいに見開かれた。 「姫、私と踊って頂けませんか」 王子は娘の手を取り、恭しく手の甲に口付けると、じっと見つめた。 突然目の前に現れた、この国始まって以来の最高傑作と言われる王子に優しく見つめられ、照れる以前に驚きが強い。 「えっと・・・踊りは苦手で・・・」 思わず断りの言葉を口にすると、遮るように「私に任せて頂ければ大丈夫です」と言われれば、それ以上言い返せない。 「はぁ・・・」と気の抜けた返事を返すと、王子は嬉しそうに微笑み、姫の手を引いて広間の真ん中まで連れてゆく。 時が止まったようだった広間も、王子と娘のダンスが始まると共に再びその活動を開始した。その殆どは、王子のダンス相手の名も知らぬ娘に関する情報収集にやっきになるご婦人方のおしゃべりだったが。 「お名前を伺っていませんでした」 「・・・ノビデレラと言います」 「あなたに似合う、とても可愛らしいお名前だ」 「ありがとう・・・ございます・・・」 ノビデレラは生まれて初めてまさに“歯が浮く”経験をしていた。 なにがこの王子の気を引いたのか、まったく分からない。 そもそも自分がここのパーティーに来たのも、いじわるな継母や姉達にろくに食事を与えられず、あまりのお腹の空き具合にねずみをつかまえたら、「助かった!」と勝手に感謝するタヌキのような姿の魔法使いがお礼にとここへ送りだしてくれたのだ。王子のお妃選びのためのパーティーらしいが、はっきり言ってごちそう目当てだ。 とはいえ、こんな素敵な王子に褒められれば悪い気はしない。 最初は戸惑い気味だったノビデレラも、だんだんと王子とのダンスが楽しいものになってきた。このままずっと時が止まればいいとも思う。 そんな楽し気なノビデレラと踊る王子もまた、生まれて初めての経験をしていた。 誰かをこんなに可愛いと思った事は無かった。その声を聴いてみたい、その手に触れてみたい 、その身体を・・・開いてみたい・・・。 「王子様は」 ノビデレラの言葉にはっと我に返る。 「今夜、お妃を選ぶんでしょう」 「はい」 「もう、決めたんですか」 「・・・いえ、まだ」 ならばもう少し踊っていられると、ノビデレラは少しほっとする。 そんなノビデレラを王子は愛おしいと思った。自然と見つめる瞳に熱がこもる。このまま離したくない・・・。 その時、ふいにノビデレラの身体が強張った。ついには立ち止まってしまう。 王子は訝しく思ったが、いかに頭の切れる彼でも次のノビデレラの行動は予測できなかった。 「ごめんなさい・・・もう行かないと!」 王子の手を振り切り、脱兎の如く駆け出したのだ。 「ノビデレラ!」 背後で自分の名を呼ぶ声がする。後ろ髪を引かれる思いでその声もこの想いも振り切り、ノビデレラはボーイのタイミング良く開けた外へと続く広間の扉をくぐった。 庭へとゆるやかに降りる横幅の広い階段を、慣れないガラスの靴の音を響かせながら駆け降りていたノビデレラは、阻むように目の前に回りこんだ人物に思わず逃げる足を止めた。 「待って」 「王子・・・!はっ・・・早いっ・・・」 「なぜ、逃げるの」 責めるでは無く、真摯に自分の手を掴む王子に、ノビデレラは完全に足を止めてしまう。 段差が低いせいで、下からノビデレラを見上げる王子の目線は少し低いだけだ。 二人の間に沈黙が降りる。 辛抱強く自分の言葉を待つ優しい王子のためにも、ノビデレラは逃げるだけじゃいけないと、真実を告げるために勇気を振り絞った。 「今の私は、ホントの私じゃないから・・・だから・・・」 その時、12時を告げる鐘の音が鳴りだした。 ああ・・・夢が終わる・・・ 「魔法が、とければ・・・ただの」 鐘の音が鳴り終わると共に、ノビデレラの姿が豪奢なドレスから、小間使いが着るような質素なドレスへと変わった。 怖くて、王子の顔がまともに見れない。たとえ見れても、視界はぶれていて結局表情は分からない。 「・・・もう、会う事は・・・さよなら」 そう言うと、ノビデレラは王子の横をすり抜けた。 その瞬間、強い力に引っ張られ、視界が反転した。 「わ?!」 「まったく・・・私の話も聴いて欲しいものだ・・・」 突然横抱きにされたノビデレラは驚いてなすがまま。 そんなノビデレラをちらりと横目で見遣ると、王子はノビデレラを抱えたまま階段を降りだした。 「ど・・・どこ行くの?」 その問いに答えず、王子は明るい月の光に照らされた、庭師によって美しく保たれている広大な庭に入ると、人目のつかないところまで来てやっとノビデレラを降ろした。 夜目ではっきりとは分からないが、どうやらブロンズ像の台座らしい。高さは丁度王子の腰辺りだ。 ところが王子はそのままどこかに消えてしまう。 「え?え?????」 ノビデレラは訳が分からず王子の消えた方向をただ見つめる。 しばらくすると、何かを手にした王子が戻って来た。 ふぅっと甘くさわやかな香りがする。 「・・・そんなにこの姿が嫌なのかい?」 ノビデレラの髪に摘んできたばかりの薄いピンクの薔薇を差しながら、王子はノビデレラが答えるのを待っていない口調で切り出した。 「私にはさっきまでのあなたと変わらずに見えるんだけどね」 「王子・・・」 「やれやれ、あなたはこの国の王子がそんなに馬鹿だと思っていたの」 たぶん今自分は、ものすごく情けない顔をしていると思う。 だって、王子が吹き出すのを堪えているから。 「・・・ごめんなさい」 「ふふふ、ダメ」 「え〜?!ダメ?!」 「こんな悪い子にはお仕置きしなくちゃね・・・」 そう言うと王子は腰掛けるノビデレラの足の間に身体を割り込ませる。 そして、王子の腰を挟んで脚を開いた形のノビデレラのドレスの裾をよけて直接両足首に手をやると、ノビデレラと視線を合わせたまま、そのままわざとゆっくり肌に手を這わせながらドレスを足の付け根まで捲り上げてしまう。 突然のエロティックな展開にノビデレラの心臓は跳ね上がった。 「えっ、ちょっと」 必死に両手を付いて、股間まで捲られないように腕に力を込める。 そんなノビデレラにくすりと微笑うと、 「手をどけて」 優しくささやく。 「や・・・やだ・・・」 「これはお仕置きだよ?いい子だから手をどけて・・・」 「う〜・・・やだ・・・」 「やれやれ」 王子があきらめたと思ってほっと気を抜いたノビデレラが、自分の唇にしっとりと重なって来たものが王子の唇で、これはキスだと認識する頃には、離れてはまたしっとりと重ねる軽いキスから、上顎や舌の裏を舌で探る深いキスへと変わっていた。 もちろんその頃には両手も離れて王子の服の胸元を掴んでいて、王子の手はドレスの裾を完全に捲り上げて内股をゆるゆると楕円を描くように這っていた。 「ふぅ・・・っ」 唇が離れるとノビデレラから甘い溜息が漏れる。その瞳は完全に夢の中だ。 しかし 「可愛い・・・」 という王子の一言に下を見ると、その言葉は自分のモノに向かって言われていた。 “○X△?!” いつのまにか、下着の前を引っ張られて中を覗き込まれている。 「わーっっ」 慌ててノビデレラは下着を手前に戻す。 しかも、 “勃ってる!” 王子はノビデレラの行動を特に止めずに、ただふふっと小さく微笑うと、ノビデレラの足下に屈んだ。 そして右脚を両手で捧げ持つようにすると、ガラスの靴に口付けた。 “王子・・・!” 自分の性器を見られた恥ずかしさもふっとぶくらいの衝撃だった。 いずれは王となり全ての国民の頂点に立ち、国を導いてゆく王子である。どんな場合でもそんな事をしていい身分では無い。 そんな王子が今自分の足下に跪いて身分も何も無い自分の靴に口付けている・・・。 倒錯的だった。 ノビデレラが見守る中、王子はガラスの靴をそっと脱がせると、親指を口に含んだ。 「っ・・・!」 舌の柔らかさと口腔内の熱さがリアルだった。 ねっとりと順々にしゃぶってゆく。中指と薬指の間の股を舐められた時、腰にズクリとくるような何かが走った。 左脚にも同じようにした後、今度は内側のくるぶしの辺りを舌でくるくると舐めて刺激する。 「くすぐったいよ」 ノビデレラが笑いながら言うと、王子も舐めながら「がまんして・・・」と微笑う。 でも膝の裏の柔らかな部分をきゅっと吸われた時、またズクリとして笑いは引っ込んだ。 もう王子が何をするのか、自分がどうなるのか、未知の領域だ。 だんだん近付いている事だけは分かる。 王子の舌は腿まで上がって来ていた。時折強く吸っては赤い痕を残してゆく。その度に背骨を走り抜けるものが快感だと、ノビデレラはもう分かっていた。 「はっ・・・」 ノビデレラの息も、上がってきていた。王子の両手はノビデレラの呼吸に合わせて這っている。 爪先からの移動を考えれば、もうとっくに届いてるはずだ。 しかし王子の舌といたずらな両手は、ゆるゆると周辺を探るだけで核心をつかない。 際どいところにくるたび、期待で息を詰める。しかし無情に離れてゆくのだ。わざと熱い吐息だけ布越しに吹き掛けて。 もう焦れて焦れて仕方ない。それは王子の髪を両手でくしゃりとやらずとも、王子も気付いているはずだ。 分かってる。これがお仕置きなのだ。でももう我慢の限界なのだ。身体も。気持ちも。 「ねぇっ・・・」 「ん?」 「ねぇってば!」 「ふふ・・・もう降参?」 「降参!」 「じゃあ、どうして欲しいか言ってごらん」 「えっ・・・」 「ほら、言ってごらん?」 楽し気に言う王子を、まだやるか・・・とノビデレラは内心毒付いたが、これまでの意地の悪さを思えば言わなきゃホントに放っておかれそうだ。それはつらい。 「・・・って」 「何?」 「触って」 「何を?」 「・・・これ」 ノビデレラは羞恥で真っ赤になりながらも、布を押し上げて主張している自分の分身を目で示した。 「ちゃんと言えないのかい?困った子だ」 そう言うと王子は立ち上がった。ノビデレラはやっと解放されると期待したが、王子は少し離れてノビデレラの全身が見えるところまで下がった。 そして怪訝な顔をしているノビデレラに向かって言い放った。 「自分で下着を脱いでみせて・・・」 恥ずかしいなんてもんじゃない。 下着の淵に指を掛けながらノビデレラはちらりと王子を伺う。もしかして赦してくれないかという一抹の希望から。しかしやはり、王子はただじっとこちらを見ているだけだった。 ようよう決心すると、まず尻の下を強引に引っ張って通す。問題はその後。 台座に座っているせいで、どうしても脱ぐ時脚を上げなければならない。考えるだけで顔から火が出そうな格好だ。 なにより、王子の視線が突き刺さる。 ノビデレラは王子から顔を背けながらゆるゆると両足を上げると、極力脚を閉じて、股間を隠すようにして下着を脱いだ。 「いい子だ・・・」 いつのまにか目の前に来ていた王子に下着を取られ、横に置かれる。 しかしそのまま王子は動かない。 視姦されている・・・・ 自分の性器にねっとりとからみつくような視線を感じる。 こんな仕打ちを受けても、ノビデレラの分身はゆらゆらと天を向いて揺れていた。 いたたまれなくなってドレスの裾で少し隠すようにすると、両手を捕まれ阻まれた。 まだお仕置きされるのかと少し泣きそうになった時、すさまじい快感がノビデレラを襲った。 王子がその口腔内にノビデレラ自身を含んだのだ。 目の前に繰り広げられる自分の性器を王子が咥えている映像は、先程靴に口付けられた時の衝撃を遥かに越えたが、あまりの快感にすぐ意識の外に追いやられた。 「はぁっ・・・!」 口に含まれた事はもちろん、こんな事を誰かと経験した事も無く、さらに焦らされて焦らされた分、快感はすさまじい。 ギュン・・・と腰に来た雷にいきなりイキそうになったノビデレラは、自分の股間に顔を埋める王子の頭を抱え込むようにしてそれをやり過ごす。 そんなノビデレラに王子は今まで焦らしたのがうそのように間髪いれず快感を与え続ける。 「もっ・・・もうだめっ・・・イッちゃうっ・・・!」 「いいよ・・・イッて・・・」 そう言いながら王子はノビデレラの先端を舌でゆるゆると円を描いて刺激して、吸いながらゆっくりと口に含んでゆく。 そ・・・そんな事したら王子の口の中に出しちゃう・・・! ノビデレラは慌てたが、王子の明らかに自分を追い上げている吸引になす術も無く、とうとう王子の口の中で達してしまった。 荒い息をつきつつ、焦点を王子に戻すと、コクリと王子の喉が上下したのが見えた。 まさか・・・ 「王子・・・口の中の・・・どうした?」 「おいしく頂いたよ。あなたのはクリームのように甘いね・・・」 クラリとした。 “王子の口の中で・・・さらに王子がそれを・・・” 頭の中でぐるぐる考えているノビデレラを、王子はそっと抱き起こして抱えると、台座から降ろして足下の柔らかな芝生へとそっと座らせた。 “お仕置きタイムは終了か・・・” と、ほっとしたようなちょっと残念なような気分になる。 そんなノビデレラをじっと見つめながら王子は口を開いた。 「ほんとは・・・これで終わりにしようと思ったんだけどね」 これでお別れか・・・と今度こそノビデレラは悲しくなった。王子と目を合わせられず、下を向く。 「私の妃になる人だ。そんな大事な人との初夜はやはり準備万端で望みたいと思ったけれど」 「・・・今、なんて言った・・・?」 ノビデレラはゆるゆると視線を王子に戻した。 なんだか今、すごい事を聞いたような・・・ 「ん?だから、大事な初夜はやはり準備万端で望みたいと」 「その前!」 「私の妃になる人だ」 「妃・・・私が」 「ノビデレラ・・・まさかまた信じていなかったね?」 「だって・・・」 「あなたの中では私は相当酷い人間らしい・・・」 「違うよ!王子を信じてないわけじゃない。・・・自分は釣り合わない」 そう言って俯くノビデレラの顔を王子は両手で挟んで自分に向けさせると、ちゅ、ちゅ、と顔中にキスの雨を降らせる。 「王子・・・」 「ノビデレラ、あなたはとても心の綺麗な人だ。あなたの豊かな感情は、国をも豊かにするだろう。何より、私を幸せに出来るのはあなただけだ・・・」 「王子・・・」 そしてまたキスをする。 「王子・・・?あの、この体勢は・・・」 いつの間にやら、芝生の上に押し倒され、王子に組敷かれている。 「話が逸れてしまったね・・・大事な初夜はやはり準備万端で望みたいと思ったけれど、さっきのあなたの姿を見てしまっては、もう、待てない・・・」 「え・・・何・・・」 突然唇に右手の人指し指と中指を押し当てられる。 「しゃぶって・・・」 分からないままとりあえず言われた通りしゃぶる。 王子の長い指に舌を這わせていると、先程の王子が自分のモノをしゃぶっていた光景がフラッシュバックされ、ノビデレラは身体の奥に火が灯るのを感じた。 無心にしゃぶっていると口の中から指が出ていって、代わりにとでもいうように王子の舌が差し込まれる。 ノビデレラは王子の舌を唇と舌で愛撫する。 まるで王子の舌が王子の性器であるかのように唇をすぼめて吸ったり、舌先で円を描くように舐めたりした。 王子も、ノビデレラの口の中に、卑猥な動きで舌を出し入れする。 ノビデレラの両脚の間に身を沈めている王子は、その動きに合わせて腰を押し付ける。さらに左手は、押し倒す際に背中の留め金をはずしていたドレスからノビデレラに両腕を抜けさせ、現れた小さなピンクの乳首を直に刺激し、しゃぶらせた右手はノビデレラのドレスの裾を捲り上げ、その奥をほぐすように動いていた。 「はぁっ・・・ちょっと・・・あっ!」 ノビデレラの奥を探っていた王子の指が1本、挿入されたのだ。 「痛い?」 ノビデレラは無言で頭を振った。 痛くはないが、気持ち良くもないし、どちらかと言えば圧迫される感じが気持ち悪い。 素直にそう言うと、「少し我慢していて・・・」と2本目の指が挿入される。 圧迫感は変わらなかったが、入口はもうこれ以上広がらないと感じる。 「力を抜いて・・・」 王子はそう言うと、何かを探す動きで、ノビデレラの中でその長い指を蠢かせた。 しばらくそうしていて、王子がある一点を押した時、ズクリときた。 「あっ・・・」 「ここ・・・?」 確認するように王子が何度か刺激する。 「あっ・・・あっ・・・何・・・!」 その度に身体の中心が絞られるような、ものすごい快感が体中を走り抜けた。 それはノビデレラ自身にも顕著に現れている。完全に勃ち上がっていた。 「王子・・・!なんか変・・・!」 「大丈夫、怖いなら私に掴まっていて」 王子がノビデレラの腕を自分の首に回させると、ノビデレラはぎゅっとしがみついた。少し安心する・・・。 ノビデレラが落ち着いたところで、王子は3本目の指を挿入させた。 「はぁ・・・」 もう広がらないと思っていたのに、苦痛はあるが意外にも入ってしまった。 王子は3本の指を出し入れさせながら、勃ちあがり自分の指の動きで揺れているノビデレラの性器を左手でしごいた。 「あっ・・・ひゃ・・・」 前と後ろを同時に刺激されて、苦痛を快感が凌駕した。とたん、ノビデレラの奥はとろけだす。王子はさらにじっくりと時間を掛けてノビデレラの奥をとろとろにした。 「ふふ・・・もうこんなだよ・・・」 王子はノビデレラに聞かせるためにわざと音を立てて指を出し入れする。 「王・・・子!」これ以上刺激しないでよ・・・ 身を起こした王子は知らず乾いていた唇をぺろりと舐め、随分前から堪えていた自分の分身を取り出すと、ノビデレラの奥から指を引き抜いた。 突然何も無くなった中が、埋める物を求めて入口をパクパクさせる。 「ああ、いやらしい眺めだね・・・」 そう言いながら、そんなノビデレラの姿をじっくりと見下ろす。 快感に頬を紅潮させ、潤んだ瞳は縋り付くように自分を見つめている。 腰に纏わり付かせただけのドレスが卑猥だ。まるで強姦しているような錯覚を起こす。 そしていやらしく収縮を繰り返す下の口が、自分を求めてそうなっているのかと思うとたまらない興奮にゾクリとした。 王子は自分の先端をノビデレラの奥にぴたりと付け、ほんの少し程入れるか入れないかの力加減で腰を回す。その間にもノビデレラの下の口は中に引き込もうと開閉を繰り返す。 「王子・・・!」 でもそんな焦らしも、ノビデレラの可愛い声で王子は自分も耐え切れなくなる。ましてや散々ノビデレラの痴態を見た後だ、耐えられるはずもない。はっきり言って自分の方が焦れている。 王子は自分の未来の妃の切ない願いを聞いて、力任せに突き入れたい衝動を抑え、ねっとりと挿入した。 「・・・!」 ノビデレラはその衝撃に声にならない悲鳴をあげた。 すぐに王子の顔が降りて来て、自分の涙に濡れる目尻に優しいキスをする。 「ノビデレラ・・・大丈夫?」 「平気・・・じゃない・・・王子は・・・大丈夫?」 まさか自分の事まで案じるとは、そんなノビデレラにどうしようもなく欲情する自分はホントどうしようもない。 「ある意味、大丈夫じゃないよ・・・」 王子は苦笑して、しっとりと絡み付く熱いノビデレラの中で今にも暴走しそうな自身を必死に宥めていた。 ノビデレラは、最初の衝撃をやり過ごすと、今度は自分の中で熱く脈打つ王子の確かな質感を感じた。 “王子が入ってる・・・” それだけで奥がジュンとなる。 もじもじし始めたノビデレラを見て、大丈夫だと思ったが一応「動いてもいい?」と訊ねる。 ノビデレラが無言で頷くと、王子はゆっくりと動きだした。初めての行為だ。あまり負担をかけないためにも、ノビデレラが感じるポイントを重点的に攻める。 だんだんとノビデレラの表情が、苦し気なものから快感を追いかけるものに変わってゆく。さらに、王子から与えられる快感を最大限に感じようと、自ら腰をうねらせていた。 「王子・・・王子!どうしよ・・・また・・・イッちゃう・・・!」 ノビデレラは休む間もなく襲い来る快感の波にすでに高みへと押し上げられていた。 「いいよ・・・イッて・・・っ」 王子も想像以上の気持ち良さに、そろそろヤバくなっていた。 「い・・・くっ!」 ノビデレラが達したのを目と自身で感じる。その容赦ない締め付けに王子もまたノビデレラの中に放っていた。 王子は達した後の軽い脱力感からすぐ復活すると、自分のせいで失神したノビデレラを愛おしそうに眺めた。 その無邪気な顔を見ていると、自然に口元が綻ぶ。頬にちゅ・・・とキスをして簡単に身なりを整えてやると、そっと抱き上げた。 パーティー会場から王子が消えたと報告を受けていた召し使い達は、自分達の主人が会場に戻らず直接この館に帰って来た事にさして驚かなかった。 しかし、王子は一人ではなく、その腕の中に見知らぬ娘を抱えている。 乳兄妹で幼馴染みでもある女中頭のシズカミナが「お帰りなさいませ」と近付いた。 どうやら娘は気を失っているようだ。身なりからして今日の来賓客では無いと思ったが、王子の娘を見る瞳から、これは唯事では無い、と察する。 シズカミナは後ろに控える女中達を振り返ると「すぐに湯と南の客間の用意を」と告げた。南の客間とはこの館で最高レベルの客間だ。 「ヒデトシ王子、このご婦人は」 「私の妃になる人だ」 あっさり答える王子に「そうですか」とこれまたあっさりとシズカミナは答える。 「とても可愛らしい方ですわね」 「そうだろう」 敵国の王侯貴族までもが氷の美貌と讃える顔はどこに行ったのか、この相好の崩れっぷりはどうだろう。 しかし、シズカミナは思った。どんなに惚れていても所詮身分の無いただの娘を妃にすることは普通なら許されないだろう。 ところが自分の仕える主人は普通では無かった。そしてシズカミナも、面白い事が大好きだったのだ。 「この人の湯の世話は私がする。呼んだら適当な服を持って来てくれるか」 「はい」 シズカミナは一礼して客間を出ると、急いで王妃の館に遣いを出した。 王子の言う適当な服とは本当に適当な服では無い。 これから起こる騒動に備えての戦闘服だ。 シズカミナは目測でサイズが分かる。王妃に許可をもらって連れて来たお抱えの腕の良い数人のお針子達にサイズやデザイン、布地からちりばめる宝石まで全て指揮し、あっと言う間に彼の娘のためのドレスを仕立て上げさせた。 丁度のタイミングで王子の呼びつけがあり、出来上がったばかりのドレスを持ってシズカミナは客間に入った。 「お召し替えを」 そう言ってシズカミナは今仕立てたばかりのドレスをノビデレラに着付ける。 「あの・・・ありがとう」 嬉しそうに輝くノビデレラの瞳に見つめられ、思わず口元が綻ぶ。王子が惚れた訳が分かった気がした。 サイズは寸分違わず、デザインもノビデレラにとてもよく似合っていた。 「さすがだな」 「王妃様にお針子を貸して頂きました」 「そう。母上には後で礼に伺おう。では行ってくる」 「行ってらっしゃいませ」 王子はノビデレラの手を引くと館を後にした。 「今度はどこに行くの?」 「私の父上のところだよ・・・」 「王様だ・・・」 予想通り、王も自分の館に戻っていた、主賓が消えたのである。パーティーもとっくに終わっていた。 王の間の前に着くと「ここで少し待っておいで」と王子だけが入っていった。 しばらくまんじりともしないでノビデレラは待ち続け、入るように言われた時には心臓が一瞬跳ね上がった。まったく今日は心臓に悪い日だ。 王子にエスコートされ王の目の前まで連れて行かれる。王子の表情は変わらず優しいが、やはり反応は芳しくなかったのだろう、王の眉間には皺が寄っていた。 「其方がノビデレラか」 「は・・・はいっ!初めまして王様」 王がじぃっとノビデレラを見る。いたたまれなかったが、つられてノビデレラもじぃっと王を見る。王子はどうやら王妃に似たようだ。ただその身を纏う雰囲気はとてもよく似ている。 「もっと近くへ」 「え・・・は、はい・・・」 ノビデレラがすぐ傍まで行くと、それまで寄っていた眉間の皺がふっと無くなり、 「なかなか可愛いではないか」 と突然相好を崩した。 さらに「このドレスはとても良い。よく似合っておる」と褒めちぎっている。 当たり前だ。シズカミナは王の好みも考えて仕立てさせたのだ。 「父上、お許し頂けますか」 この機を逃さず王子が問うと、「良い良い」と王子の方も見ずに答え「どれ、飴でもあげよう」と言っている。 ノビデレラが恐縮すると、 「私の娘だ。遠慮する事はない」とニコニコ。 「父上、ノビデレラは私の妻です」 「ヒデトシ王子、それはだから私の娘だろう」 「いえ、息子の妻です」 「同じ事だ」 「いえ、微妙に違います」 「頭が固いのではないか、王子よ」 「頭の府抜けたロリコンから妻を守るのも夫の役目です」 「もしかしてそれはわしの事を言っているのか」 「おや、心当たりがおありですか」 ノビデレラは延々続くそのやりとりを半ば呆れて見ていた。 要するに似た者親子なのだ。好みまで似ている。 まだまだ続きそうなところに王子によく似た王妃がやって来て、王を嗜めてやっと終わった。 その後、ヒデトシ王子は無事ノビデレラを妃に迎え、史上初の民から選ばれた妃に国中が湧いた。また、王となった後の治世は輝かしく、その愛妻ぶりと共に後世に語り継がれたという。 END |
小説初書き・・・。 よくある童話ネタですが、この2人だとこうなる。 それにしても“ノビデレラ”は自分で受けたんですけど(笑)。途中何度も“ノビデリア”になるし・・・。しっかし出木杉王子ハマり過ぎ(笑)。 ところでこの2人のHを書いたのも初めてです。ナント。 脚フェチ放置プレイ恥辱プレイてんこ盛りのねっとりHを目指しました(笑)。でも愛があるから良いのよ♥ ほんとは漫画のネタだったんですが、本にするほどじゃないかな〜っていうのと、絵が鉛筆書きのラフだったので、ちょっと話でも付けてボリュームを出そうというのとで、HP小説になりました。しっかし小説ってエロい。漫画では表現できないエロティックな雰囲気を出せますね。ちゃんとそれが表現できてたら嬉しいけど、まー文章力の無さは大目に見てください。漫画で頑張るからさ。 絵は18禁じゃないのに、この小説で18禁に・・・(^_^;) |
![]() もう一回絵を見ちゃう 桜綺らら様より頂いたバナーです♥桜綺様、ありがとうございました♥ |
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