晴れすぎた午後
- It doesn't forget - |
それはとても良く晴れた日で。 暮れなずむ空にかかる綿雲が薄っすらと紫に染まる黄昏時、真昼の残滓を伴う微熱を含んだ風が吹き抜けた。 そよぐ梢が、木の葉が微かに触れ合う音のみが世界を支配している…そう、今目の前で繰り広げられている光景は、いつか見たあの日と同じ。 鬱蒼と茂る木々の合間、ぽっかりと空いた広場には小さな衣魚のように落ちる影が1つ…それすらも変わらない。 既視感でない証拠は、影を落とす丸めた背中の大きさ…それだけが時の移り変わりを顕著に現していた。 「…いるんだろ…」 背中の持ち主の声はあの時より幾分低さを増したけれど、深遠にまで響き渡るような本質になんら変化はなくて。 そんな彼の声の響きを、自分のそれで打ち消してしまうのを嫌って。声をかけられた事で許しを得られたと無言で腰を降ろした。 遠からず近からず―手を伸ばせば届くけれど、伸ばされる事が許されない危うい距離―これが僕と君との間に横たわり続ける現実。 「…空、見てたんだ…」 誰に当てるでもなく呟かれる言葉も変わらない。 そう、隣に誰がいようともこういう時に告がれる言葉は、遥か時の彼方へと帰っていった者へと向けられているのだ。 本当は、誰よりも優しい君。 時に"それは無茶だろう"と思われる事でも、他人の為にならやってのけてしまうほどに。 だから、僕の存在を忘れてしまっているかのような行為は、本来君の望む事でない事も解っている。それでも…不本意ながらそうせざるを得ない理由が君にある事も。 心をどこかに置き去りにしてしまう程の出来事があった。それは未だ現在進行形で君を苛んでいる事を僕は知っている。 「綺麗だねって………」 それ以上告げる言葉はないかのように口唇を閉ざしてしまう。僕はただ黙って、思い出したかのように告げられる君の言葉の数々を胸に刻みつけていくだけ。 茜色に染まりつつある世界を視界に納めていても、実際は何をも見留めていない。 そんな君の姿に幾許かの寂しさを感じない訳ではないけれど…『それでも君の傍に』と願う心を抑える術を…僕はとうの昔に自ら捨て去ったのだから。 ■□■
あの日も晴れすぎていた。 珍しく君の姿が見えなかった。 遅刻は毎日のように繰り返してはいたけれど、それでも休む事は滅多になかった君がいない事に珍しく僕は違和感を覚えたと記憶している。 今の君との関係は「幼馴染のクラスメイト」以上のものではなかったけれど…君の姿が見えない日が1日2日と続いていくうちに、いつの間にか"今日は来ているだろうか"と、視線が君を求めるようになっていたのが最初。 3日目になって漸く、彼が最も親しくしている彼女に問いかけてみようと思い立った。 「のび太さん、どうやら酷い風邪を引いてしまったらしいの。様子は伺いにいっているのだけど、まだ顔を合わせられる状態じゃないってお母様が言ってらしたわ」 心配そうな表情を浮かべて呟く彼女の言葉に嘘は感じられなかった。 …何故"嘘"を感じられなかったと思ったのか。 彼女とは交換日記を交わす程の仲ではあるけれど、友達というよりは同士に近くて本来持ち合わせている思考が僕ととてもよく似ている人だと思っていたから…そういう捉え方をしたんだと思う。 「そうなんだ。早く元気な顔を見せてくれるといいね」 「ええ、そうね。でも正直、出木杉さんがそんなにのび太さんの事を心配しているとは思ってもみなかったわ」 「そうかい?僕だって彼の幼馴染の1人なんだけどね」 当たり障りのないような返答をすると、彼女はクスクスといたずらそうな笑みを浮かべたのだった。 …この頃から彼女は"同士"として僕の心持などお見通しだったのかもしれないと、今となって改めて思ったりもするのだが。 「そこまで気にかけているのなら、今日一緒にお見舞い行きましょうよ」 「うん、そうさせてもらうよ」 この彼女の申し出は心底有難かった。 何がしかの理由がないと訪れる事すら出来ない僕に、その理由を与えてくれたのだから。 幼馴染とは言え、普段それほど君との接点を持っていなかった僕にとっては渡りに船であった。 君がいない事を除いてなんら変化のない学校での時間は事もなく過ぎていった。 放課後、彼女と連れ立って君の家へと続く道を歩む足取りはいつになく軽やかだったような気がする…あの時はその理由がわからなかったけれど、今ならわかる。君へと傾く心の早さと同じだったという事が。 あと2つほど角を曲がれば君の家が見えてくるという場所に差しかかった時だったか。 思いがけない所で君の姿を見つけてしまった。 君の家へと続く道とは丁度反対側、今僕らが辿ってきた道を逆戻りする方向に君はいた。 走り去る姿だったから視界に納められたのはほんの一瞬でしかなかったけれど、しかしそれでも君が"酷い風邪"を引いている状態ではなさそうだという事だけは理解できたのだった。 今日の授業中に疑問に思った出来事を語るのに夢中で、彼女は君の存在に気が付いていない…。 「ごめん、用事あったの思い出しちゃった。悪いけど1人でのび太君の家まで行ってもらえるかな?」 「あら、そうなの?残念ね。のび太さんには私から宜しく伝えておくわね」 「悪いね。のび太君に早く元気になってと伝えておいてね」 それだけ言って片手をあげると、僕は君の姿が消えた方向へと一目散に駆け出していた。 君の足が余り速くなかった事が幸いして、僕は程なくして君の姿を捕捉する事ができていた。 迷いのない歩みは目的地がある証拠。君に気配を気取られないよう十分な距離を保ちつつ後を追う。 "このまま学校へ行くのか?"そう思った時急に横道へ反れて、君が辿り着きたい場所が裏山だという事が判った。 「そういえば…あの青くて丸い君の親友がこの世界へと現れるまでは、裏山は君の一番大切な場所だったんだよね…」 何の気なしに僕は呟いていた。心のどこかでいつも引っかかりを持っていた事。 それはまだ彼がこの世界へと訪れる前、僕は今よりも君と良好な関係を築いていたという事実だった。 まだ小学校へ入学するかしないかの頃、僕達は毎日のようにあの裏山で遊んでいた。 僕がこの街へ引越してきて最初に出来た友達が君だったんだ。 "同じ年の男の子だから"と母が引き合わせてくれた君はとても小さくて、女の子のように愛らしい大きな瞳で照れくさそうに、しかし興味深深で僕を見ていた…今でもはっきりと覚えている。 そのまま君の家で一緒に遊んだのが始まり。 幼い頃から何をするにしても他の人より1テンポのんびりとしていた君は、余り誰かと群れて遊ぶ事を好んでいなかったように思う。 一緒にいても、1人遊びの延長のような遊び方が殆どで。 君は独り言のように何かを話して、僕は黙って頷く…時折君の求めている答えに相応しいであろう言葉を2・3吐くだけ。 傍から見れば不自然な関係だったかもしれないけれど、僕は不快に思う所か君と過ごす時間がとても貴重ですらあった。 互いに別々の事をやっていたとしても、同じ空間に存在するだけで満足できた…満たされた時間がそこにはあったから。 君と遊ぶようになってしばらくして、君は滅多に外へ出る事がなかったのに突然僕を外へと連れ出した。 「ひでちゃんにだけおしえてあげる。ぼくのひみつのばしょだよ」 いたずらそうな笑みを浮かべてこっそり僕の耳に注ぎ込まれた言葉に、僕は底知れぬ喜びを得たのだった。 それからは毎日のように"2人の秘密の場所"となった裏山へ篭るようになった。 君の中の"大切"なものがそこには沢山あった。美しい景色、暖かな陽射し、溢れる自然の神秘、穏やかな時間…。 特に何をする訳でもなかったけれど、その時自分が興味を持った物を持ち寄って、日が暮れるまでそこで共に同じ時間を過ごす事が何よりも楽しかったのだ…。 君はまたあの裏山に向かおうとしている。 あそこには君の"大切"が沢山詰まっているはず…何故、仮病まで使って学校を休んでいるのに君はあそこへ向かうのか? …君が立ち止まったのは、やはり思いでの場所でだった。 鬱蒼と生い茂る木立の中、ぽっかりと開いた空間。大した広さはなくても、そこからは僕達の住む街の光景が一望できた。 君に存在がバレないよう近くにあった太い幹の陰へと体を滑り込ませ、僕は君と君を取り囲む世界を見つめた。 西空に傾く陽射しを一身に浴びて、オレンジ色に染まった世界はとても美しくて…『僕の宝物なんだ』と、恥ずかしそうに呟いた君の姿が思い出されていた。 今もまた、あの時と同じように美しく輝く世界を君はひたすら見つめていた。 まっすぐと注がれる視線は強く、目に見えない"何か"へと挑んでいるかのようだった。 その瞳からは…零れ落ちる透明な雫…。 後から後から溢れ出て、君自身でもどうにも出来ない様子だった。 「ごめん、ドラエもん…今だけ、今だけだよ。もう僕は泣かないから…」 そよぐ風に紛れてしまう程微かな声で呟かれた後、崩れ落ちるように君は膝を折って蹲った。 「ドラエもん…ドラエもん…っ」 丸めた小さな背中が小刻みに震えていた。 耐え難い思いを"今だけは"と惜しげもなく晒すその姿はとても痛々しくて…我慢できずに僕は君の元へと吸い寄せられていた。 君の背後へと跪き、恐る恐る腕を伸ばした。 肩に触れた瞬間"ビクッ"と大きく揺れた君の体を、僕は両腕で包み込んだ。 「出木杉…」 驚きを隠せない表情で見上げてくる君に向かって、僕は精一杯の笑顔を向けた。 「何も、言わないで。ここは僕とのびちゃんの秘密の場所だもの…」 ね?とダメ押しの微笑を浮かべると、コクンと1つ頷いた君は素直に僕の腕に体を任せて泣いた。 どれほどの時間が経ったのだろう。 オレンジに染まっていた世界は濃い藍へと色を移し、西空にはうっすらと稜線に沿って茜色が沈む頃…君は大切な人との思い出を、別れを…自分自身に刻み付けるように話してくれた。 「ほんとうに…ック、本当に大切だったんだ…ドラエもんは…ヒクッ。僕の、大切な友達…」 嗚咽に紛れてなかなか思うように出て来ない言葉。それでも必至に紡ぎ出して明らかにしていく作業はとても時間がかかった。 僕は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになる君の顔を時々ハンカチで拭いつつ、君が今、話してしまわなければならない事をゆっくりと促していった。 ここで全部吐き出してしまわないと…君はずっと思い出の中に取り残されてしまいそうだったから。 「いなくなってしまって初めて、その人の偉大さや大切さが解るって事、あると思うよ…」 「…うん…」 「のびちゃんにとって、ドラエもんは欠けがえのない存在だったんだよね。とても、とても大切な…」 「英ちゃんっ」 再び盛大に泣き出してしまった君を抱えるように抱きなおすと、片手でゆっくりと背中を撫で擦った。 "もう泣かないで。僕はいつでも君の側にいるから" 未来へと帰ってしまったドラエもんの喪失感は計り知れないだろう…けれど、今でも君の事を大切に思っている人がここにはいるんだよと、君に解ってもらえるように。 泣き腫らした目蓋へとそっと口唇を落とし、回した腕に力を込めて君が落ち着くまでの間、昼と夜の挟間に揺れる景色を睨み続ける僕がいた…。 いつの間にか辺りは闇に包まれていた。 何かに踏ん切りをつけるよう僕の腕から逃れた君は、乱暴に眼鏡を外すと右手でごしごしと両目を擦った。 「約束したんだ…1人でも大丈夫だって。もう、泣かないって…。だから、僕の涙は今日、ここに全部流した」 振り返り僕を見下ろす君の表情はどこか儚げで、それでも内に秘めた覚悟を瞳の奥に宿しているのだけは明らかだった。 「ありがとう。今日ここに英ちゃんがいてくれて本当によかった」 無理矢理作られた笑みは未だ痛々しくて…けれど覚悟を決めた君にそれを告げる勇気は僕には無かった…。 暗闇の中、手を携え合いながら裏山を降りた。 交わす言葉はいらない。繋がる指先から伝わる温度だけで十分だった。 君を家まで送り届けると、君と同じように泣き腫らした目蓋を隠そうとせず迎え出た君の両親に『ありがとうね』と、心から御礼を言われたのが印象的だった。 君の救いようのない喪失感を、君のご両親も憂いていたいたんだと解り、ほんの少し安堵したのを覚えている。 そして…それでも拭いきれないであろう君の中の彼への思いを、僕は薄める為、あわよくば掻き消してしまう為に…君の側にいようと僕自身に誓った瞬間でもあったのだった。 誰よりも優しくて、感受性が豊かで、少しのんびりしているけれど、綺麗な心と体を持った君を…そろそろ僕に返して欲しかったから。 そうして、君はあの裏山に抱える思いを封印して…泣くことを止めた。 それまで泣いて縋っていた相手が今はいない事を実感しないように。交わされた約束を守り抜く為に君は変わっていったのだ。 それまで以上に他人と交わる事をよしとしなくなり、孤独を愛するようになっていった。 人より遅い君のペースをとやかく言う口に見向きもしなくなり、君なりのペースで、ゆっくりではあったけれど確実に世界を広げていった。 僕はただそんな君の後姿に従うだけ。 遠くから僕が見守る事だけは…拒否しないでくれていたから。 我慢できずに口実を作っては君の世界に介入する事はあったけれど、それでも君は許してくれていたから。 年に1度…そう、丁度彼が未来へと旅だって行った日にだけ君はここへと戻ってくる。 薄れる事のない喪失感を思い知る為か、逆にそれと対峙する為なのか…僕には解らない。 確かなのは、未だ君の中の彼の存在を僕が上回っていないという事だけ。 それが…悔しくて。 君と過ごす時間が長くなるほど滾る想いが僕の中にはあるけれど、君はその存在にまだ気付こうとしない。 でも、そろそろ限界だ。 今年で彼が消えてから5年…そろそろ解放されてもいいだろう? "僕"という存在にそろそろ囚われて欲しいと、僕の心が叫んでいるのだから…。 ■□■
…随分と長い間自分の中の記憶に捕らわれていたようだ。 意識を戻すと辺りは既に宵闇に包まれ始めていた。 未だ置いて来た心を取り戻す方法をなかなか見つけられず、目の前の現実を受け入れる事が酷く難しくて、そんな自分を疎んでいる君。 注ぐ視線は相変わらずのまま、意識を彼方へと飛ばしている…。 「そろそろ…戻っておいでよ」 あの時のように、背後から君を包み込み耳元で囁いた。 そう、これはある種のタブー。 ここでは…僕は君に干渉しないのがルール。そのルールを侵さないからこそ君の傍に侍る事を許されていたのだから。 「君は"ここ"にいるんだから。あれから5年…解るかい?」 飛ばしていた意識をゆっくりと手繰り寄せるように瞳に色が戻ってきた。 微かな不快感を伴ったその瞳に…僕は苛立ちを覚えた。 …まだ、"僕"を認めてくれないのか?と。 「君が求めて止まないものは、もうここにはないんだって事。君が一番よく解っているじゃないか」 「なんでそんな事を言うんだ?」 閉じ込められた腕から逃れようともがく君を押さえ込む事なぞ造作なかった。 きつく抱き締めた体は予想以上に細くて、折れてしまわないかほんの少しだけ気に掛かったが腕の力を弱める事は出来なかった。強固に拒もうとしている君がいるから。 突きつけられた現実を認めたくなくて、怒りを顕にするその姿でさえ…僕には愛しく映るのに。 「君はここにいる。そして"僕"もここにいる…違うかい?」 「っ!」 「ドラエもんは…とっくにいないんだよ。それが現実」 「でもっっ」 懲りずにまだ言い募ろうとする口唇が憎らしくて、自分のそれで塞いでしまった。 "何が起きてる?!"そう顔に書いてあるかのように見開かれた瞳の色を僕は確認する…その瞳に僕以外の誰をもの色を映さないように。僕だけの色に染まるように。 重ねた口唇の柔らかさに、ほんのりと感じる甘さに酔い痴れるのは当たり前で。 何度も角度を変えて重なる口唇が君の目蓋をゆっくりと閉ざしていくのを見届けた時…僕は"思い出の中の亡霊"に勝てたと、やっと確信を持つ事ができた。 ゆっくりと解き放つと、耐えかねたように艶を滲ませた吐息が君の口から零れた。 真っ赤に染められているであろう頬を覆い隠すように添えられた君の指先が、小刻みに震えているのが見て取れた。 照れからか逸らされる視線は先ほどまでとは違った意味で宙を彷徨っていて…可愛らしい。 そこまで見届けると、僕は用意していた言葉を呟いた。 「僕はここにいる。君が求めて止まないものと違って、僕は君が嫌だといっても"ここ"にいるから。それだけは…忘れないで」 はっと、何かに気が付いたかのように表情を変えると、慌てて僕の顔を見つめた君。 まっすぐと注がれ続ける視線から逃れず、混じりけのない想いだけ託した視線を僕も君へと注ぎ続けた。 「…ごめん、出木杉…僕…本当にごめん!」 泣きそうな顔をしながら必死に言い募る姿は…5年前の優しい君そのままだった。 置いてきてしまっていた君の心が戻ってきた瞬間だった。 「ドラエもんがいなくなってから5年…初めて僕の名前をここで呼んでくれたね、のび太君」 嬉しくて、嬉しくて…極上の笑顔で僕は呟く。 「そう…だったっけか。ほんと迂闊だよな…僕」 シュンッと沈んでしまった表情がまた愛らしくて。鼻先を翳める様に再び口唇を寄せると、目一杯慄いて背後へと飛び退る君。 「てか、てかさ!それ、違うだろ!!」 「何が?」 「だ、だだだだって、僕達男じゃないか!」 「それが?」 「!!」 「そんな気持ちでもなければ、この世の終わりのようなどん底まで沈みこんだ君を地上に引き上げる事なんて出来ないでしょ?」 「………」 空いた口が塞がらないという顔で、唯々呆然と僕を見つめる君に向かって止めの一言。 「僕は君が好きだから。ね?」 最上級の微笑みを纏って呟くと、真っ赤な顔のまま口をパクパクさせる君。 しばらくそうしていたけれど、照れくさそうに、でも不貞腐れたように一言返してくれた。 「あ、ありがとう…でも!僕は"友達"として出木杉が好きなんだからな!」 精一杯の虚勢を張った言葉ではあったが、今の僕にはそれでも十分過ぎる程であった。 そう、君と僕との新しい関係は今日、やっと始まったばかりなのだから。 二人して下る山道。 あの頃とは違ってわざわざ手を繋がなくても安全に降りる事はできるけれど、それでも差し伸べた手を君は無言で握り返してくれた。 頭上遥か、木々の間から見えるのは数多の輝く星達。 新たな1歩を踏み出した僕達を見守るかのように微かな光を降り注ぐ。 そんな光の1つ1つに向かって僕は心の中で呟く。 今日と言う日…晴れすぎた午後が、僕達にとって決して忘れる事の出来ない1日になったという事を。 繋いだ手の温もりが"これは現実だ"と、2人の背中を後押ししてくれているのだと。 Fin.
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chapun様(正真正銘乙女ノ部屋) |
††††† 作者様よりコメント ††††† |
原作最終回『さようならドラエもん(ジャイアンにのび太がボコボコにされちゃう編)』をベースに始まる 出木×のびの最初の話って感じです。勢い2時間仕上げ; ありきたりかつヌルスギ設定ではございますが、 所詮根性ナシのヘッポコが書き殴ったという事でお許し下さいませ。^^; まだ私の中での「出木杉感とのび太感」が固定していない為かなり妖しい性格設定になってますが、 生暖かい目で見ていただけますと幸いです。_| ̄|○||| 寒々しい品ではございますがお納め下さいませ。m(._.*)m 言い訳だらけではございますがこの辺で。(;´Д`)それでは!! chapunより。
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6000キリ番踏み人、chapunさまからの頂きものでございます♥ 出木杉君視点の、のび太くんへの優しい愛情が甘酸っぱいカンジです! ドラえもんがいなくなった後ののび太君を悶々と見守るあたり、ヘタレ臭も微かにするような(笑)。 ヘタレ万歳! でもなんだかんだでのび太くんとちょっとラブラブなカンジじゃないですか~♥ これからのこの2人がどうなるのか、とても楽しみです! 読後がとても清涼感たっぷりの喉越し爽やかな世界…♥(なんか違う) chapunさま、とっても素敵な小説をありがとうございました!(#^v^#) |
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