誕生日おめでとうマイエンジェル♥

2004/8/8〜2004/9/18掲載

誕生日おめでとうマイエンジェル♥


僕は朝起きてまず部屋を見回した。
花で埋め尽くされてるかもしれないと思った6畳1間の自分の部屋はしかしいつも通りで、
昨夜玄関でしっかりと施錠した5つの鍵もそのまま。
手早く身支度を整え、気合いの呼吸を一つ吐くと、注意深く玄関の扉をそっと開けた。
が、特に変わった様子は無い。
いやいや気を抜けないと、某迷惑男専用警戒アンテナを張り巡らして歩いたが、
特に何も起こらないまま会社に到着してしまった。
やや拍子抜けして自動扉を潜った僕は、
突如視界に飛び込んで来た異質な風景を無意識に脳内から排除した。
しかし“ソレ”は僕の姿を認めるや否や、
輝くばかりの笑顔を湛えながらその長い足を存分に活かし、
方向を変えて歩いていた僕の前に立ち塞がった。

「誕生日おめでとう、マイエンジェル♥」
「…」

言われた台詞も絶句モノだが、
同時に差し出された、可愛らしくまとめてあるひまわりの花束はもしかしなくても僕宛てか。
すかさず僕らを祝福するように薔薇の花弁を散らす黒子達の存在は
この状況を僕のキャパシティから瞬時に宇宙の彼方へ連れ去ってくれる。
ちなみに足元は、僕が歩く度に黒子達が赤い絨毯を敷き巻きしている。

その黒子達の主人である目の前の男は、
黙って立っていれば理知的で氷のような美男子だが、その言動は常軌を逸している。

いや、初めて会った時は非常にまともだった。
まともというか、男が男に惚れるというか、
上司に付いて行った取り引きの場ではその手腕に尊敬の眼差しを向けたのだ。
しかしそれ以来なぜか僕に絡んでくるコイツはアホ以外の何者でも無い。

しかも非常識だ。

この世で一番手怖いのは非常識なアホだ。

それが分かった処でどうしようも無いのだが、
助けを求めるように周りを見回した僕と目が合った源先輩はサッと下を向くと、
両腕で腹を抱えて静かに肩を震わせている。
爆笑してるヒマがあったら助けてくださいよ…!

「今晩、また迎えに来るよ♥」
「結構です」
「お仕事頑張って♥」
「来ないで良いですからね!」

念を押す僕に、

「鰻のはりはり鍋は旨い」
「う…」
「伊勢海老の焼き物もあった気がする」
「い…伊勢…」

涎を垂らさんばかりの僕に向かって一言、

「何時に迎えに来ようか♥」


その夜、なぜか僕は京都の料亭に居た。

「明日仕事なのに〜!!」
「違う心配した方が良いと思うよ♥」
「え?」
「ん?♥」



のび太くんお誕生日おめでとう絵でございます♥
かなり強引なエリートビジネスマン(ぷっ)の出木杉さんに運悪く見初められ、
貞操をかけて日々闘うのび太くん♥
でもこののび太くんは食いしん坊さんなので、
いつも食べ物に釣られちゃうのです☆
そんなのび太くんが出木杉さんは可愛くてたまらないのです♥
お誕生日なんて格好の口実だよね!!(#^3^#)
がんばれ、のび太くん♥

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