kisskiss Confession



2003.2.8
by haruru






「……んっ…ァふ……ッ……」

―――――――可愛いな、と思う。本当に。
レンズ越しに、最初、驚きに大きく見開かれていた眸が、次の瞬間、もっと大きく見開き瞬いて。
そして、眉を顰めると共に細められて。
一度、ギュッと閉じた後、それを開こうとして、でも思うように開けなくて、眇めたような目付きのまま、その端に涙を滲ませて。

柔らかい口唇。
温かな舌。
甘い吐息に、甘い蜜。

苦しさに漏らす声さえ、何処か砂糖菓子の様なふんわりとした甘さの漂うものに感じられて。

この肢体も、そう。
外見上は然程変わらない背格好なのに、その中身は全く違っていて。
腕を回して抱き寄せている腰も、背中も、掌で支え固定している首も、それが余るくらいで。

もっと、強く抱き締めて、

総てを堪能したい・味わい尽くしたい、と云う衝動に駆られる。


けれども。


「……ぁ、はっ…あ…」

名残惜しく感じながら、その口唇を解放して。
力の抜け切った躰を、そっと地面に座らせて上げて。もう一度、その頤を取ってから、

「大丈夫?」

眸を合わせて訊ねる。
途端にキッ、と睨み付ける眼眸。でも、紅くなった目許や滲んだ涙に威力は半減以上に損なわれていて。

「だっ…誰が大丈夫なもんかっ!!//////よくもいけしゃあしゃあとそんなコトが訊けるっ!!一体どういうつもりでこんな嫌がらせっ…」
「嫌がらせじゃ、無いよ」
「はあっ?! じゃあ何だって云うのさっ!?」
「告白」
「告白ぅ!? 告白って、何の!」
「勿論、僕が君を‘好き’だって云う、愛の告白」

――――――それに、一瞬の間が空いて。


「ええええっ!!!!?????」

再度大きく眸を瞠らせて、大きな声を出して、後退る。
そのあたふたと狼狽する姿は幼い頃から全く同じもので、また可愛いと思ってしまうのだけれど。

「あ…新手の嫌がらせなんだろうっ?!」

どうにも身に付いてしまっている苛められっこ体質とそれに伴う懐疑的な所も矢張り同じで、半分ガッカリと、また、半分苦笑してしまう。
でも、それも予想の範疇で。

「そう思われたくないから、言葉でなく行動で示してみたんだけど?幾ら嫌がらせでも、出来るコトと出来ないコトが有るだろ?」
「………………出木杉なら、ある程度のことまでは何でも出来る気がする……………」
「あのね……」

のび太の答えに深々と溜息を吐く。
確かに“ある程度”のことまでは出来るけどね。但し、君限定で。
云えば、今以上に退くと思うけど、

「一応、君の為を思ってキス迄で我慢したんだけど」
「………ハイ?」
「僕的には全部モノにしたかったし、しても良かった。嫌がらせで、そこまで出来ると思う?」
「あの、モノって、」
「SEX」

赤くなって、青くなって。
その顔色を表情を忙しく変化させながら、ザザザーッと先程よりも勢い良く後退る。けれども、その背後に在るのは、学内と学外とを隔てる白い塀。
それに、ぴったりと背中を貼り付かせて。
ちょっと近付けば、ビクリッと躰を顫わせ焦る姿が可愛くて、可笑しくて。

クスクスと笑いながら歩を進めて。

「嫌がらせじゃないと分かったのなら、真剣に考えて」
「し…真剣に…って、」
「君と僕のこと。それ迄は手は出さない。―――――でも、一つだけ条件。ドラえもんに相談するのは一切ナシ」
「なっ何でェっ!?」
「ヒトに相談して決めることじゃないでしょ。違う?」

ううう〜…;;;と早くも頭を抱えて悩みだした彼に声を掛けて。

「のび太くん」
「う?…!?んんっ!?」

顔を上げたところで、掠めるような接吻(キス)をして。

「ちょっ……手は出さないって云っただろっ!?/////////」
「うん。だから、出してない。今、触れたのは唇だけだろ?」
「へっ…屁理屈だっ!!」
「何とでも。口で僕を云い負かせられるのなら、どうぞ?別の口の使い方ならもっと歓迎だけどね」

如何に鈍い彼だとて、流石に二度もキスをされれば、その意味も分かったようで。
開き掛けた口を噤んで、その上、両手で確りガードして。

――――――――けど、‘口’撃出来る場所は唇だけじゃないんだよ?
そのガラ空きになった首筋だとか耳だとか、他にも色々有るんだけど。
でも、それはまたのお楽しみに。

「考えてね。のび太くん」

無言で悔しそうに睨み付けてくる彼に、笑顔でそう念押しをした。






end.




†††††  作者様よりコメント  †††††
えとえと、そんな訳で(ってどんな訳だ/爆)、告白話。
先のお話に続いてるよーな続いてないよーな微妙さ加減がウリです(笑)。
でも、久々に書いたちゅーしーんは物凄く恥ずかしかったですっ//////////。昔、よくこんなのを平然と、しかもいっぱい書いてたよなー…としみじみ感心(爆)。
んーでも、やっぱ2作目のデキノビだし、元々ラブコメ好きな為か、1作目よりは書き易かったですv ほぼ1日で出来ました(笑)。
拙いお話ですが、どうぞお納め下さいませ。

久々に見たまんま中身が分かるタイトルですが、響きや字面重視で文法上は激しく間違い&無視です(笑)。

それでは、次回、アリスを頑張らせて頂きますv
何度もお待たせして本当に申し訳有りませんが、どうぞまた宜しくお願い致します。


400キリ番踏み人、はるる様からの頂き物2作目でございます♥
のきゃ〜!!♥
冒頭で大興奮したのはわたくしだけではないハズ・・・!(#^_^#)
イヤ〜ン出木杉ってばキング・オブ・攻様!!
なんて積極的なのかしら!
でもちゃんとキスで止めてあげてるところが、なんだか放置プレイ好みの片鱗を見た気がします。←オイ
それにしてものび太くん、なんなのその凶悪プリティーゲージの高さは!
そんなんだから出木杉に丸め込まれるのよぉお〜!!
でも出木杉の屁理屈思考、ナイスです(#^x^#)
さすが攻様の風上に立つ男(笑)!
も〜ホント、次回作品が楽しみです♥こちらこそよろしくお願いします〜♥
はるる様、素敵な作品をありがとうございました♥(#^v^#)


1作目の作品はコチラから♥



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