何が欲しいのだろう。 何を望んでいるのだろう。 明日はあいつの誕生日。 何をプレゼントすれば喜んでくれる? --- 悩 め る 少 年 N --- 「う〜ん」 悩める子羊が一匹。 毎年のび太はこの季節、頭痛がするほどの苦悩を味わうことになる。 なぜなら、来たる4月28日は、恋人である出木杉の誕生日だからだ。 誕生日となれば、プレゼントである。 自分の誕生日にはいつだって喜ばしてもらっているのだから、お返しにこの日は、自分が相手を喜ばしてあげようという気持ちがある。 けれど、こう言うのは気持ちだけでは物足りない。 やっぱりそれ相応のプレゼントをあげなければ。 物は心には変えられないとはいうけれど、思いを込めたプレゼントはやはり気持ちだけよりも嬉しいものなのだ。 とはいえ、何をプレゼントしていいか、悩むのはいつものこと。 プレゼントは、相手の欲しいものをあげるのが最適である。 けれど、恋人の一番欲しいもの。それは毎年決まって同じものだった。 『君が欲しい』 それを聞くたびに、のび太は呆れてしまう。どうして僕を欲しいなんて、馬鹿なことが言えるのだろうと。 バカと天才は紙一重だとよく言うけれど、こう言う時の恋人は、確かにバカなのかもしれないと本気で思ってしまう。 もちろん相手にそれを悟らせることはしない。悟られれば後が怖い。お仕置きと称され、酷い目に合わされたことは過去両手では数え切れないほどなのだ。 それでもやっぱり、バカかもしれない、と思うことは止められない。 『君が欲しい』 そう告げる恋人に、それ以外で、と言えば、本気で悩む姿を見せてくれる。 それを呆れたようにツッコミを入れるのは毎年恒例行事のようになっている。 本当に、それ以外に欲しいものは彼には、ないのだろうか。 ちょっとその場に正座させて、丸一日ほど考えてみろ、と言いたくなるのだけれど、もちろんそれは実行に移せずにいる。というか、移したら後が怖い。お仕置きと称され―――以下同上。 だけど、律儀にツッコミだけはいれさせてもらう。 『君が欲しい』 と、恋人は言う。真剣な顔と眼差しと共に。 けれど、すでに自分は相手のものなのに、これ以上何を差し出せというのだろうか。 友達のジャイアンのように、ことのび太に関しては、「自分のものは自分のもの。のび太のものも自分のもの」と言わんばかりの行動をしているくせに、こう言う時だけ、欲しいとねだられても、こちらは呆れるしかない。 僕の全てはもう君のものだと思っている、僕の認識は違っているのだろうか。 本気で問いただしたい時もあるのだけれど、もちろん問いただしたことはない。そんなことをすれば後が怖い。お仕置きと称され―――以下同上、のような目にはあわないだろうけれど、それでもこれ以上調子付かせては、ヤバイということぐらいは、もう学習済みなのだ。 けれど、そうなると難しい。 相手に欲しいものは、自分にはあげることができない(もう、あげてしまっているから) となれば、何をあげるべきだろうか。 心をこもったプレゼント。 相手を喜ばせることのできるプレゼント。 その条件を満たせるものは、ありそうでなかなかない。 毎年の難題である。 「う〜んう〜ん」 何時間も唸って考えても何をあげていいか決まらない。 けれど、時間は刻々と過ぎていく。 早くしなければ、プレゼントを買う時間もなくなってしまう。 「あーっ、もういいやっ! とりあえず、安物だけどアレにしよう」 結局最後は、最初に考えていた大したものではない品物になってしまったりするのである。 あれほど悩んでいても、いつだって決まるのは、そんなたわいものないものなのだ。 悩んだ時間はなんだったのだといつも思うのだけど、悩めることはやめられないのだから仕方がない。 それでも、ようやく決まったプレゼントである。 急いでお金をもってお買い物。 安物かもしれないけれど、気持ちがこもっていればいいんだという心意気で、誕生日プレゼントを決めてくる。 そうして贈ったプレゼントは、いつだって恋人は喜んでくれるのだから、かまわないだろう。 中には使わないだろうというものもあるけれど、それはそれでもいいらしい。 愛しい恋人が目元に隈まで作って自分のために選んでくれたものであるということが大切なようだった。 悩むこともまた、プレゼントの一つ。 嬉しい贈り物。 プレゼントにはやっぱり気持ちが一番大事ということで。 Happy Birthday☆ |
††††† 作者様よりコメント ††††† |
またもや駄文をお見せしてしまい、すいません。 調子に乗っているかもしれません。 なんだか、現在頭がデキノビに支配されている様子です(笑) そういうわけでして、今は、出木杉誕生日週間ということなので、もう一度ハッピーバースデーを告げに。 えっ? もう結構ですって。出木杉ってば、酷い〜(逃走) |
桜寿さまより、出木杉の誕生日お祝い第2弾として頂きました♥ わ〜今度はラブラブカップルだ〜!!(#^3^#)/ でもやっぱり出木杉さんはかなり執着♥ のび太くん「バカかもしれない」ってアータ(笑)。でも黙ってるあなたは賢明です(^x^) 紙一重という意見には大賛成。 のび太くんに愛されてるなぁ・・・出木杉、この幸せ者め〜! のび太くんも(かなり)愛されてるから良しとする♥ 桜寿さま、とっても可愛いお話をありがとうございました♥ そしてこのままデキノビにどっぷり嵌まって〜(笑) |
第1弾はコチラから♥ |
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